大学院入試のために、急遽TOEFL ITPの勉強が必要になった、ざくぺん(@zach_penguin)です。
TOEFL ITPは、大学の留学前や大学院入試で広く使用されている英語のテストです。
大学での英語のクラス分け試験や留学準備、大学院入試等に用いられています。
ただ、このTOEFL ITPは、TOEICと比較して、あまり一般的ではありません。
というのも、TOEICはビジネスマンを対象としたビジネス英語の試験であるのに対し、TOEFL ITPは学生を対象とした学生生活で使用する英語の試験であり、テストの対象が限られるからです。
そのため、「これまでTOEICをうけた経験はあるけれど、今回TOEFL ITPを初めて受ける」という方が、たくさんいます。
TOEIC は受けたことがあるが、今度初めてTOEFL ITP は一度も開けたことがないという方がいらっしゃいます。
そうした人から、よく受ける質問に
- TOEFL ITPの当日の大まかな流れはどんな感じなの?
- TOEFL ITP の試験時間は? TOEICと比較して短いの長いの?
- TOEFL ITP の問題数はどれくらい?TOEICと比較して多い?少ない?
といったものがあります。
この記事は TOEFL ITP の試験当日の流れを TOEIC との違いに焦点をあて、紹介したいと思います。
12:30 – 13:00 集合、受験番号記入、音声テスト、テストの説明
TOEFL ITPの集合時間は、TOEIC と異なり、主催者である学校が決めることになっています。
とはいえ、TOEFLの開始時間は、 たいていの場合12:30集合、13:00開始に設定されています。
そのため、TOEFL ITPの開始時間は、大体 TOEIC と同じと思っていただければ構いません。
受験票の記入、音声テスト、テストの説明もTOEICと同様の内容で実施されます。
試験官の指示に従って、記入等をしていきましょう。
TOEFL ITPは、大学の空き教室で実施されることが多く、音声が聞きづらいことがまれにあります。
聞きづらい席に案内された場合、試験官にきちんと申告しましょう。
テストの説明もTOEICの内容と同様であり、とくに驚くような内容はありません。
さっさとマーキングを実施して、心を落ち着けておきましょう。
13:00 – 13:35 リスニングセクション
TOEFL ITPは、TOEIC 試験と同様にリスニングテストから開始します。
TOEFLのリスニングセクションは、試験時間35分で、問題数は50問です。
TOEIC のリスニングセクションは、試験時間が45分で、問題数は100問です。
それに比べると TOEFL ITP のリスニング試験の試験時間は、35分と短くなり、問題数は少なくなっています。
TOEFL ITPの問題数は、TOEICの半分と考えると、非常に少ないですね。
ただ、TOEICは1問あたりの時間は約27秒に対し、TOEFL ITPは、42秒となっており、話される文章量は、TOEFL ITPのほうが多くなっています。
TOEFL ITPのリスニングセクションの内容は、 TOEIC の Part 1(写真を見ながら回答する部分)がなくなっています。
つまり、TOEFL ITPのリスニングセクションは、TOEICのPart 2, 3, 4に近い内容となっています。
リスニングセクションの最後に実施される長文リスニングは、TOEFL ITPのほうが文書量が多なっています。
また、内容も教授と学生の会話等、学生生活を意識した問題が出されます。
13:35 – 14:00 文法セクション
TOEFL ITPは、TOEICと同様にリスニングセクションのあとに、文法セクションが続きます。
TOEFL ITPの文法セクションは、試験時間が25分、問題数が40問です。
その内訳は、空欄に入る適切な英語を選択する問題20問と、 文章の中で文法的に間違っている部分を部分を探す問題が20問です 。
TOEIC の文法セクション( Part 5及びPart 6 )は、問題番号101から146の 合計46問です。
一般的にTOEICの文法セクションは、25分で回答を目指している方が多いのではないでしょうか。
それと比較すると TOEFL ITPの文法セクションの問題数と試験時間は、TOEICだいたい一緒と考えることができるでしょう。
TOEFL ITPの文法セクションのTOEICとの大きな違いの1つは、文法セクションの時間と長文セクションの時間が完全に独立していることです。
TOEFL ITP受験者は、25分の間に文法セクションの回答を完了させる必要があります。
文法セクションを早く終わらせて後の長文セクションの問題に取り掛かるということは許されていませんし、後の長文セクションの時間に文法セクションに戻ることも許されていません
得意なセクションを早く終わらせ、苦手なセクションの時間を確保するという戦略は、使えませんので、注意が必要です。
また、TOEFL ITPでは、TOEICにない、文法的に誤りを探すという問題が出題されています。
TOEFL ITPの文法セクションの内訳は、空欄に入る適切な英語を選択する問題20問と、 文章の中で文法的に間違っている部分を部分を探す問題が20問です 。
前半の空欄に適切な英語を選択する問題は、 TOEICに類似した問題が出題されています。
しかしながら、後半の文法の誤りを指摘する問題は、TOEFL ITP特有の試験です。
TOEFL ITPの勉強をする場合、きちんと勉強をしておく必要があります。
14:00 – 14:55 リーディングセクション
TOEFL ITPは、TOEICと同様に文法セクションのあとに、リーディングセクションが続きます。
リーディングセクションは、試験時間55分、問題数は50問です。
リーディングセクションは、5つの長文からなり、それぞれの長文に10問の設問が用意されています。
TOEICでは、一般的に14:10から15:00の50分で長文を解くことを目指している方が多いのではないでしょうか。
それを考えると、TOEFL ITPのリーディングセクション の回答時間と問題数 は、TOEICとだいたい同じになっています。
TOEFL ITPのリーディングセクションのTOEICとの大きな違いの1つは、シングルパッセージしかないことです。
TOEIC は、 Part 7の最後の方になるとダブルパッセージやトリプルパッセージの設問が用意されていました。
しかしながら、TOEFL ITPではシングルパッセージのみの問題しか用意されていません
そのため、複数の文書の関係を把握したり、複数の文書の内容から回答を類推するといったことは意識する必要がありません。
もう1つの大きな違いは、出題される長文の内容が、異なることです。
TOEFL ITPのリーディングセクションの長文の内容は、高校で習ったような生物や人類史、近代史、宇宙関係の話です。
TOEFLでよくみる、広告、メール、メモ、請求書は、一切出題されませんので注意しましょう。
3つ目の大きな違いは、メモをとって良いことです。
近年、TOEFL ITPでは、TOEICでは許可されていない、メモの取得が許されるようになりました。
わからない単語、重要な固有名詞等、どんどん下線を引いていきましょう。
また、「次の文章のうち、誤った文を回答せよ」のような、消去法が有効な設問も出題されるため、回答を絞り込むときにも、がんがん問題用紙に記入して行きましょう。
簡単にまとめれば、大学受験で出題されるような、素直なシングルパッセージの長文問題を回答すると思ってもらえば、だいたいあっていると思います。
15:00 解散
問題用紙とマークシートが回収されて、終了です。
なにも特別なことはありません。
TOEICと同様に15:00には解散となります。
まとめ
以上をまとめると、TOEFL ITPは、TOEICとテスト内容や当日の流れは、ほぼ同じです。
- TOEFL ITP の試験時間は、ほぼTOEICと同じ(5分違い)。
- TOEFL ITP の問題数は、合計140問で、文法セクションとリーディングセクションの問題数は、ほぼTOEICと同じ(リスニングセクションだけTOEICの半分)
特徴的な違いは
- リスニングセクションは、学生生活で使われる英語が多く出題される。
- 文法セクションは、回答時間がリーディングセクションと完全に分けられており、また文法の誤り指摘問題が出題される。
- リーディングセクションは、大学入試のようなシングルパッセージの長文が5つ出題される。
あらためて気付かされるのが、TOEFL ITPは、留学する学生が困らないように学生生活用の英語学習を支援する内容になっているということです。
なんとなく、TOEFL ITPの作成者の親心を私は感じました。
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